②シュリンプ飼育の環境

塩素の除去

カルキとは塩素のうちの遊離塩素のことを言います。しかし、水道水には遊離塩素と同時に結合塩素も含まれています。試薬やチェッカーの多くは遊離塩素だけを検出しますので、結合塩素の残留があっても検出されません。結合塩素とはモノクロラミンに代表されるもので、遊離塩素よりも殺菌能力は劣りますが、遊離塩素特有のにおいがなく、長時間もち、しかも煮沸やエアレーション、太陽光などでは抜けません。

遊離塩素よりも生体に対する毒性が弱いのが結合塩素ですが、微生物やエビ類などには致命的なダメージを与えますので注意が必要になります。また塩素は水中の有機物と結合することによって、人体にも影響の出る発癌物質であるトリハロメタンなどに変化する場合がありますので、数日で抜ける遊離塩素よりもタチが悪いのが結合塩素です。

■汲みおきの場合で、午前8時から直射日光にあてた場合:
・遊離塩素の残留がなくなるまで→約6時間
・結合塩素の残留がなくなるまで→約250時間

■屋内の汲みおきでエアレーションがある場合:
・遊離塩素の残留がなくなるまで→約29時間
・結合塩素の残留がなくなるまで→約250時間

■午前8時から直射日光に当てながらエアレーションした場合:
・遊離塩素の残留がなくなるまで→約6時間
・結合塩素の残留がなくなるまで→約250時間

■ビタミンCなどを投入した場合(10リットルに対して20cc):
・遊離塩素の残留がなくなるまで→即時
・結合塩素の残留がなくなるまで→約250時間

■ハイポ(チオ酸ナトリウム)を1粒投入した場合:
・遊離塩素の残留がなくなるまで→約1分
・結合塩素の残留がなくなるまで→約2分

■水道の水をそのまま水槽水に投入した場合:
・遊離塩素の残留がなくなるまで→化学変化(発癌性あり、薄まった毒性は水槽内に蓄積)
・結合塩素の残留がなくなるまで→約250時間(一部は化学変化、発癌性あり、薄まった毒性は水槽内に蓄積)

※ トリハロメタン(アルカリ性)は、活性炭で除去できます