②シュリンプ飼育の環境

ホワイトグローブの飼育方法

スラウェシシュリンプが輸入された頃は、小さくて宝石のように美しくしいので日本でもブレークすると思いましたが、一部のマニュアだけが、飼育している現状です。ホワイトグローブを飼育することが難しいのが理由と思われますが、決して長期の飼育や繁殖をさせることが難しいわけではありません。販売されているホワイトグローブは海外でブリードされたものです。

スラウェシのエビ 左ハーレクイン、右ホワイトグローブ

レッドビーと飼育の難しさを比べると、ホワイトグローブは、高温に強いのでクーラーなし(ファンは必要かも知れませんが)でも飼育できます。また、デトリタス(有機物粒子)を食べますので、少しのエサを与えるだけでいいので水質の悪化も問題ありません。問題となるのは、日本の水質です。日本の水道は軟水のため硬水で育つスラウェシシュリンプの飼育に適していないことが上げられます。

ホワイトグローブを飼育するために
ホワイトグローブを飼育するために、水質を硬水にすると解決するかと言うとそうではありません。水作り(バクテリアを繁殖させて最適な環境にする)ことが必要です。調整剤で、硬度を上げることやミネラル等の添加は必要ありません。硬水にするためには、粗目サンゴのろ材を使います。よく「サンゴ砂を入れればいい」との情報がありますが、砂が細かいと目詰まりでバクテリアが繁殖できません。サンゴろ材を入れて直ぐにホワイトグローブを入れても長期飼育ができません。粗目サンゴのろ材を入れてから3か月以上経過することが必要です。それまでは、ミナミヌマエビなどの安価なシュリンプを飼育して、サンゴろ材内のバクテリアを繁殖させます。この期間は3か月程必要になります。増殖したバクテリアの働きで、サンゴろ材からミネラルが溶け出します。それまで待つことが大切です。

また、エビ類の飼育では水流が発生するエアレーションを使用しないことが一般的です。気密性が高い内部式フィル―ターを利用するこの場合は、シャワーパイプで酸素濃度を高くするための設置方法を工夫することが必要になります。

ホワイトグローブ飼育のまとめ
 1.粗目のサンゴろ材で、3ヶ月以上か掛けて水作りをする
   ※ 添加剤は水質が不安定になるので使用しません
 2.酸素濃度を高くする
 3.水温は高目に設定する

◆ 水のパラメータ
  温度: 27–31
  pH: 7.5-8.5
  gH: 4-8
  kH: 3-10
  TDS: 250-300

サンゴろ材から出るミネラル(CaやKH)で、有害な(Caにより)硝酸塩やリン酸塩を除去することができますので、水替えの回数を減らすことができます。エサはフレーク状のものを与えます。

オーバーフロー水槽(GXEのグラステリアAGS)

スラウェシシュリンプ(ホワイトグローブ)を飼育する水槽で、お勧めなのはオーバーフロー水槽です。一番の理由に挙げられるのは、とても静かなことです。オーバーフロー水槽は酸素濃度が高いのでエアレーションの必要がありません。アクアリウムで家族から問題にされることで最も多いのは「騒音」でないでしょうか。

スラウェシシュリンプ(ホワイトグローブ)を飼育するオーバーフロー水槽で、お勧めなのはGEX社のグラステリアAGSです。低価格でコンパクト、オールインワン。そして高級感があります。

 


◆ 水槽用フィルターの問題点:

 ・外部式フィルター: 水が落ちる音がうるさい
 ・内部式フィルター: 密封性が高いので、酸欠対策が必要
 ・底面式フィルター: ろ材の掃除が煩雑
 ・スポンジフィルタ: (粗目サンゴの)ろ材が使えない
 ・オーバーフロー水槽: 価格が高く、大きい(ろ過能力・メンテ性で最も優れている)

ろ材に粗目サンゴを入れて、3ヶ月程水作りをすればホワイトシュリンプを飼育することができます。尚、自宅では、海水魚用(自作)のオーバーフロー水槽で飼育していましたが設置するのが大変でした。